蒸したん?炒ったん?緑茶ってなに?
唐突ですが、質問です。
蒸しパンは好きですか?
こんがり焼き立てのパンとどっちが好きですか?
蒸しパンはふんわりふわふわしているのがいいですよね。
焼き立てのパンは香ばしくって、ふかふかふわふわしててこっちもなかなか。
ところで、お茶にも蒸したのと炒ったのがあるのをご存知ですか?
むか~しは、蒸し器である蒸篭(せいろ)で、摘んだお茶の葉っぱを青い香りが消えるくらいまで蒸して、それから、揉んで乾燥させてました。
今は、機械化されているのが主流ですけれど、原理は同じです。
一方、炒ったのというのは、摘んだお茶の葉っぱを丸釜などの鉄板の上で炒って、揉んで乾燥させる製法。
今でも九州に残ってます。
さて、化学の時間です。
バナナの皮を向いて、時間が経つと茶色くなってきますよね。酸化という化学変化が起きているんです。
実はお茶も同じで、摘んだお茶の葉っぱをそのままにしておくと茶色になってゆきます。
茶色になってゆくのを、お茶の専門用語で発酵と言います。
発酵という言葉からイメージされるヨーグルトとかの菌による発酵とは違って、お茶の場合は酸化発酵という化学変化で、酸化酵素が働いてお茶の葉っぱが茶色くなります。
酸化酵素の働きを止めてしまえば、それ以上発酵が進むことはありません。
茶色に目いっぱいなれば紅茶、途中のを烏龍茶、ほぼ緑のを緑茶といいます。
では、「酸化酵素の働きを止め」るには、どうするのでしょう?
答えは、熱をかけるんです。
熱をかける方法にも、種類がいくつかあります。
一つは蒸す、一つは炒る、他にも湯がく、あぶるというのもあったりします。
蒸す、炒るは比較的小さい芽でもできますが、湯がくとかあぶるになると小さい芽だと残りにくいのであんまりされていないようで、お茶っ葉の大きい番茶で使われる製法かと思います。
先日釜炒り茶を飲む会をやって、その流れでどうやったら美味しく入れられるかを練習してました。
会では、釜炒り茶ってどういうの?という質問にさらっと答えたのですけれど、折角だし、少し整理したくなったので、書き出してみました。
蒸し製でも、深蒸しと普通蒸しで違うところがあるのですが、また機会があれば書きたいと思います。
では~